「あなたの計画は失敗した。」
全く大した事でも無いかのような口振りで黒い服の青年が言った。
膨大な書物、費やされた永い時間。
その全てが灰燼に帰し、最期の可能性も閉ざされた今、
それでも今までと何も変わらない空気が此処に流れているのが不思議だった。
「つまり、あなたの存在意義は失われた、ということよ。」
青年の傍らに佇む白いワンピース姿の少女がなじった。
彼女からは懐かしいトワレの香りがしていた。
彼女が私をなじったことについては、今さらもうどうでも良かったけれどその香りが私を困惑させる。
少女が最初につけるのに相応しい柑橘系の甘い香り。
でもその名前をどうしても思い出せない。
2004/05/03
夢Ⅰ
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