2030-12-24

きっと



きっといつか、おそらく何百年か後のこと。
インターネットは想像もできないくらい進化してしまっているけど、人類在る限り健在だと思うんだ。そうするとね、未来の考えられないくらい膨大な容量のサーバクラスターの中に、果てしなくクロールやミラーリングを繰り返してコピーされた過去のコンテンツの残滓が澱のように沈殿するに違いない。
数百年後の世界では、そうした古いデータはとても貴重なので、考古学のようにそれらのデータを発掘して研究する学者なんかが存在したりするんだ。
昔あなたが初めて作った全部センター揃えのしょっぱい趣味の「ホームページ」から、生々しいSNSのやりとりまで。サルベージされたデータを眺めて未来の人は「昔の人も大して変わらんのだなあ」なんて思ったりするのかもしれない。
たぶんその中には痛いネトゲ日記みたいなものもあるし、誰かがFrickrに上げたSLのスクショなんかもあったりする。SLだって「ああ、これがフルダイブ仮想世界のそもそもの元祖だったのか」なんて過大評価を得ることになるのかもしれない。
つまりなにが言いたいというわけでもないのだけれど、頭の片隅でそういうことを考えながら今日も飽きずに、私は割と元気にPCの前に座っているのです。
こんなことがいつまで続くのか私にもわからないし、何百年後にはもう私たちはいないけれど、どうかあなたの今日のバーチャルライフが実り豊かなものでありますように。

では今晩のところはおやすみなさい。